催事ブースの当日運営チェックリスト

催事ブースの当日運営は、「開店前」「営業中」「閉店後」「最終日の撤収」の4つの時間帯に分けて確かめると、確認の漏れを防げます。この記事では、前日までの準備を含めた確認の項目を、時間帯ごとの表にまとめました。どの表にも「確認」の欄を設けています。印刷して、担当者の名前を書き込んで使ってください。迷ったときは、安全、モールの決まり、成果の順に優先します。あわせて、チェックリストの使い方でよくある失敗と、2日目以降に見直すことも紹介します。

クリップボードの用紙に書き込んでいる手元

当日の運営で、何を確かめればよいですか?

当日に確かめることは、大きく3つに分かれます。

  • 安全:通路や避難口がふさがれていないか。機器や配線に危ないところはないか。
  • モールの決まり:時間、声かけの範囲、音の大きさ、チラシを配る場所を守っているか。
  • 成果:目標に向けて動けているか。記録を正しく取れているか。

チェックリストは、項目ごとに担当者を決めて使います。全員が全部を見るより、誰が確かめるかを決めた方が、見落としが減ります。最後に現場の責任者がまとめて確かめます。

当日の使い方は、次の流れが基本です。

  1. 表を印刷し、項目ごとに担当者の名前を書く
  2. 時間帯ごとに、担当者が確かめて印を付ける
  3. できていない項目は、その場で責任者に伝える
  4. 閉店後に表を集め、日報と一緒に残す

出店の申込みから撤収までの全体の流れは、コラム「ショッピングモール催事の出店から撤収までの流れ」で紹介しています。

机を囲んで打ち合わせをする人たち

当日の役割は、どう分けますか?

チェックリストの担当を決める前に、当日の役割を分けておきます。役割の例は次のとおりです。

役割 主な仕事
現場の責任者 モールや社内との連絡、トラブルへの対応、チェックリストの最終の確認
接客の担当 声かけ、商品の説明、申込みや購入の受付
記録と補充の担当 時間ごとの記録、在庫と販促物の補充、ブースの整理

人数が少ないときは、一人が複数の役割を兼ねます。その場合も、現場の責任者は一人に決めておきます。連絡の窓口が一つにまとまり、モールの担当者も話をしやすくなります。

責任者が休憩に入る時間は、代わりに判断する人を決めておきます。何人で回すか、休憩の交代をどう組むかは、コラム「催事スタッフの人数の考え方とシフトの組み方」で紹介しています。

段ボール箱にラベルを貼っている手元

前日までに済ませておくこと

当日の朝に慌てないよう、次の項目は前日までに確かめておきます。

項目 確かめること 確認
入館と搬入 入館証、搬入口、搬入の時間、駐車場の場所を全員が知っている □
連絡先 モールの担当者、社内の責任者、緊急時の連絡先の一覧がある □
シフト 出勤の時刻、休憩の順番、交代の要員が決まっている □
研修 商品の説明、よくある質問への答え、モールの決まりを全員が確かめた □
物品 什器、販促物、在庫、申込書、筆記用具、養生テープなどを数えた □
決済と釣銭 決済の端末が動くことと、釣銭の用意を確かめた □
天気と交通 搬入の日の天気と、道路の状況を確かめた □
書類 モールとの取り決めの書面や、求められた保険の書類の写しを持った □
表示 POP、価格の表示、チラシに誤字や古い情報がない □

前日には、責任者と担当者で短い打ち合わせを開き、当日の時間割、役割、連絡先を読み合わせておくと、当日の朝の確認が早く済みます。物品は、一覧表と実物を一つずつ照らし合わせて数えます。箱に中身の一覧を貼っておくと、搬入と撤収のときにも数えやすくなります。決済の準備は「催事でキャッシュレス決済を使う準備」、天気への備えは「催事の天候と季節の影響への備え」で紹介しています。

店頭の案内板を裏返している手元

開店前のチェックリスト

開店前は、設営の仕上がりと安全を確かめ、朝礼でその日の目標を共有します。

項目 確かめること 確認
入館 入館の手続きを済ませ、全員が入館証を着けている □
設営 ブースが決められた区画の中に収まっている □
通路と避難 通路、避難口、消火器の前に物を置いていない □
電源と機器 照明、モニター、端末が動く。配線に足を引っかける場所がない □
表示 価格やキャンペーンの表示に誤りがなく、実際より得に見える書き方になっていない □
販促物 チラシ、パネル、ノベルティを決めた場所に置いた □
身だしなみと名乗り 制服、名札、髪型、手元を確かめた。勧誘の初めに伝える事業者の名前、勧誘の目的、商品やサービスの種類を、全員が確かめた □
朝礼 その日の目標、役割、休憩の順番、注意点を共有した □
清掃 ブースの床と机がきれいになっている □
もしもの備え 近くのAEDと救急箱の置き場所、避難の経路を全員が知っている □

価格の表示や、購入や契約、来店などに合わせて付ける景品やノベルティには、景品表示法の決まりがあります。また、商材や販売の方法によっては、勧誘の初めに、事業者の名前、勧誘の目的、商品やサービスの種類を伝えることが求められる場合があります。他社の商品を代わりに販売する場合は、誰の名前で勧誘し、どの会社と契約するのかも伝えておくと、誤解を防げます。詳しくは所管の行政機関や専門家にご確認ください。

お客様に向けて価格を表示するときは、消費税を含めた総額を示すことが求められています(国税庁)。値札やPOPの書き方は、コラム「催事の価格表示で気をつけること」で紹介しています。配線や照明の置き方は「催事ブースの電源と照明の基本」を参考にしてください。

エスカレーターのあるショッピングモールの館内

営業中のチェックリスト

営業中は、モールの決まりを守りながら、成果につながる動きができているかを確かめます。

項目 確かめること 確認
声かけ 決められた範囲と、音の大きさを守っている □
接客 説明の内容が、運営マニュアルとそろっている □
記録 声かけの数、試した人の数、契約や購入の数を時間ごとに記録している □
在庫 在庫と販促物が足りている。補充の時刻を決めている □
個人情報 申込書やアンケートを、ほかのお客様の目に触れない場所に保管している □
休憩 予定どおりに交代し、ブースの人数が足りている □
整理 ブースの中と周りが散らかっていない □
報告 気になったことを、その場で責任者に伝えている □
はみ出し 人の列や販促物が、通路や隣の区画にはみ出していない □
体調 スタッフが水分をとり、交代で休めている □

時間ごとの記録は、閉店後にまとめて書くより、その場で書いた方が正確です。来場の多い時間帯がわかれば、次の日の人の配置を変えられます。

お客様の個人情報は、使う目的をあらかじめ示したうえで受け取り、決めた方法で保管します。申込書を置いたままブースを離れないことも、全員で確かめておきます。アンケートの取り方は「催事のアンケートの取り方と個人情報の扱い」、補充の考え方は「催事の在庫の持ち方と補充のコツ」で紹介しています。

夜の商店街

閉店後のチェックリスト

閉店後は、その日の数字を締め、翌日に向けた準備をします。

項目 確かめること 確認
締め 売上、契約、決済の記録が一致している □
保管 現金、申込書、端末を決めた方法で保管した □
在庫 残りの在庫を数え、翌日の補充の分を決めた □
日報 目標と実績、よく聞かれた質問、気づいたことを書いた □
共有 責任者が日報を確かめ、社内やクライアントへ報告した □
ブース 電源を切り、ブースに残す物をモールの決まりどおりに管理した □
翌日の準備 翌日の釣銭、端末の充電、足りない販促物を確かめた □

日報は、毎日同じ書式で書くと、日ごとの比較がしやすくなります。一般に、次の項目をそろえておくと使いやすくなります。

  • 日付、場所、出勤した人
  • その日の目標と実績
  • 時間帯ごとの声かけの数と、契約や購入の数
  • よく聞かれた質問と、お客様の反応
  • 困ったことと、そのときの対応
  • 翌日に変えること

社内やクライアントへ報告する時刻も、事前に決めておきます。書き方は、コラム「販売の日報と報告書の書き方」を参考にしてください。

展示会の会場

最終日の撤収のチェックリスト

撤収は、モールが指定する時間の中で終わらせます。慌てて進めると、忘れ物や原状回復の漏れが起きやすくなります。

項目 確かめること 確認
時間 モールが指定する撤収の開始の時刻を守っている □
搬出 指定の搬出口と経路を使っている □
原状回復 床や壁に、テープの跡や傷が残っていない □
ごみ モールの決まりどおりに処理した、または持ち帰った □
返却 借りた什器、入館証、鍵を返した □
忘れ物 ブースの周りと控室に、忘れ物がない □
報告 モールの担当者に、撤収が終わったことを伝えた □
書類 申込書やアンケートをまとめて持ち帰り、決めた方法で保管した □

撤収は、次の順に進めると、大事な物の置き忘れを防ぎやすくなります。

  1. 現金、申込書、端末など、なくすと困る物をまとめる
  2. 商品と販促物を箱に戻し、中身の一覧と数を照らし合わせる
  3. 什器と造作を解体し、搬出する
  4. 床と壁を確かめ、清掃する
  5. 最後に責任者が区画と控室を見回る
クリップボードに整理したやることの一覧

チェックリストを自社用に作り直すコツは?

この記事の表は、多くの催事に共通する項目をまとめたものです。実際に使うときは、自社の商品とモールに合わせて作り直します。

  • 項目は「〜している」「〜した」の形で書く:見ればすぐに、できているかどうかを判断できます。
  • モールごとの決まりを書き足す:声かけの範囲や搬入の時間など、モールによって違う点を表の下に加えます。
  • 商品に固有の項目を加える:試食や体験がある場合は、その準備と片付けの項目を足します。試食を出す場合は、食品の衛生について決まりがあります。事前にモールの担当者と、所管の保健所に確かめておきます。進め方は「試食・試飲の進め方と衛生の注意点」で紹介しています。
  • 使い終わった表を残す:確認できなかった項目や、足りなかった項目を次回の表に反映します。
  • 仕上がりを写真で残す:設営が終わったブースを写真に撮っておくと、次の日の朝や次回の設営で、同じ状態に整えやすくなります。
手に持った救急箱

トラブルが起きたときは、どう動きますか?

当日は、予定どおりに進まないことも起こります。よくある場面と、最初の動き方をまとめます。

  • お客様の体調が悪くなった:近くのスタッフが声をかけます。意識や呼吸に異常があれば、先に119番に通報します。あわせて、モールの担当者や警備の窓口へ連絡します。
  • 苦情を受けた:その場で言い返さず、まず話を聞きます。対応は責任者が引き継ぎ、内容を日報に残します。
  • 機器が動かない:予備の機器や、紙の申込書に切り替えます。
  • 地震や火災の警報が鳴った:モールの館内放送と指示に従い、お客様の避難を優先します。
  • 迷子の子どもを見つけた:その場を離れず、モールの担当者へ連絡します。
  • 落とし物を見つけた:中を確かめずに、モールの決められた窓口へ届けます。
  • 雨の日に床がぬれている:ブースの前で人が滑らないよう、すぐに拭くか、モールの担当者に伝えます。

連絡先と最初の動きを1枚の紙にまとめ、ブースの中に置いておくと、誰でも同じように動けます。

トラブルが起きたあとは、何が起きて、誰がどう動いたかを日報に残します。次の催事の前に運営マニュアルへ書き足しておくと、同じ場面で迷わずに動けます。苦情への向き合い方は「催事での苦情の初期対応」、子ども連れのお客様への配慮は「子ども連れ向けイベントの工夫と安全の配慮」で紹介しています。

話し合いをする2人

運営を外部に任せるときの注意点は?

当日の運営を外部の会社に任せる場合は、現場での判断を誰が行うかを事前に決めておきます。連絡は現場の責任者を通す、と決めておくと混乱を防げます。

外部に任せる場合は、契約の形と、現場のスタッフに誰が指示を出すかを事前に確かめます。請負や準委任の契約では、一般に、現場のスタッフへの指示は受託側の責任者が行います。発注側の要望は、受託側の責任者に伝え、そこから現場へ伝わるようにします。

スカイウォークスがお引き受けするのは、企画書、実施計画書、運営マニュアルなどの提案から、造作、運営までです。ご依頼の内容に合わせて、契約の形をご相談します。

クリップボードのメモを確かめる手元

チェックリストの使い方で、よくある失敗は?

チェックリストは、作っただけでは役に立ちません。現場でよく起きる失敗と、防ぎ方をまとめました。

よくある失敗 防ぎ方
全員が「誰かが見たはず」と思い込む 項目ごとに担当者の名前を書く
印を付けるだけで、できていない項目が残る できなかった項目は責任者に伝え、対応を表の余白に書く
表が長すぎて、途中から使われなくなる 時間帯ごとに1枚にし、毎回は要らない項目を外す
モールの決まりが変わったのに、古い表を使う 催事ごとに、モールの決まりと照らし合わせて直す
忙しい時間に、記録が止まる 記録の担当を決め、記入する時刻を区切っておく

表を作り直したら、日付を入れて、どれが新しい版かがわかるようにしておきます。

書類とコーヒーを囲む打ち合わせ

2日目以降は、何を見直せばよいですか?

複数日の催事では、前の日の記録をもとに、当日の動きを少しずつ直していけます。朝礼の前に、責任者が日報を読み、次の点を見直します。

  • 人の配置:来場の多かった時間帯に、接客の人数が足りていたか
  • 補充の量と時刻:切れた物や、余った物はなかったか
  • 説明の順番:よく聞かれた質問を、説明の早い段階で伝えられないか
  • 置き方:手に取られにくかった商品や、読まれにくかったPOPはないか

見直した点は朝礼で全員に伝え、変えたことと、その結果を日報に残します。変えたことが多すぎると、何が効いたのかがわからなくなるため、1日に変える点は絞ります。結果の比べ方は、コラム「販促イベントの効果の測り方」で紹介しています。

よくある質問

チェックリストは、誰が確かめるのがよいですか?

項目ごとに担当者を決め、最後に現場の責任者がまとめて確かめる形をおすすめします。担当者の名前を表に書いておくと、確認の漏れが減ります。

複数日の催事では、毎日すべての項目を確かめますか?

開店前、営業中、閉店後の表は毎日使います。前日までの準備の表は初日の前に、撤収の表は最終日に使います。

スカイウォークスに運営を頼むと、チェックリストも用意してもらえますか?

ご依頼いただく場合は、催事の内容とモールの決まりに合わせて、運営マニュアルなどをご提案します。当日に確かめる項目についても、ご要望に合わせてご相談に応じます。

チェックリストは、紙とスマートフォンのどちらで使うのがよいですか?

どちらでも使えます。紙は誰でもすぐに書き込め、通信や電池の状態に左右されません。スマートフォンは、離れた場所の責任者とすぐに共有できます。スマートフォンで使う場合も、もしものときの連絡先と最初の動きは、紙でブースに置いておくと安心です。

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