催事でキャッシュレス決済を使う準備|手順・端末の選び方・注意点

催事でキャッシュレス決済を使うには、館や主催者の決まりの確認、決済サービスの申し込みと審査、端末と通信・電源の用意、スタッフの練習を、開催日から逆算して進めます。申し込みから使い始めるまでに審査の日数がかかることがあるため、出店が決まったら早めに動くのが基本です。キャッシュレスで払うお客様は年々増えており、短い期間の催事でも用意しておきたい支払い方法です。この記事では、催事の出店担当の方に向けて、決済の種類、準備の手順、サービスと端末の選び方、当日の注意点、よくある失敗とチェックリストをまとめます。

スマートフォンとカードを持つ手元

催事で使うキャッシュレス決済には、どんな種類がある?

キャッシュレス決済は、現金を使わずに支払う方法の総称です。催事の売場で受け付けることが多いのは、次の4つです。

種類 支払いの時期の目安 店側で用意するもの
クレジットカード 後払い カードを読み取る決済端末
デビットカード 支払いとほぼ同時に口座から引き落とし カードを読み取る決済端末
電子マネー 前もってチャージする方式が多い 電子マネーに対応した読み取り機
コード決済 ひもづけた支払い方法による QRコードの掲示、または読み取りの端末やアプリ

お客様から見た種類ごとの違いは、キャッシュレス決済の種類と使い分けでも紹介しています。

コード決済の2つの方式

一般社団法人キャッシュレス推進協議会のガイドラインでは、コード決済を次の2つに分けています。

  • 店舗提示型(MPM):店に置いたQRコード、または店の端末に表示したQRコードを、お客様が自分のスマホで読み取る方式です。前もって印刷して置いておくものを静的QRコード、決済のたびに表示するものを動的QRコードと呼びます。
  • 利用者提示型(CPM):お客様がスマホに表示したバーコードやQRコードを、店の端末で読み取る方式です。

どちらの方式を使えるかは、決済サービスや端末によって違います。催事の売場では、置ける機器の数や、お客様の並び方も考えて選びます。

受け付ける種類は、お客様と商品から考える

すべての種類を受け付ける必要はありません。たとえば、単価の高い商品が中心の売場ではクレジットカードを、少額の商品をすばやく売りたい売場では電子マネーやコード決済を優先する、という考え方があります。旅行で訪れたお客様が多い会場では、ふだん使っているカードや電子マネーで払いたいという声が出ることもあります。過去の催事の記録や、館の担当者の話も参考にして、売場に合う組み合わせを決めます。

レシートを出す決済端末

導入までの手順は? 開催日から逆算して進める

準備は、次の順で進めると漏れが少なくなります。

  1. 館や主催者の決まりを確かめる:館のレジを使うのか、自分の決済端末を持ち込めるのか、使える決済の種類、売上の報告方法を確かめます。百貨店やショッピングモールの催事では、出店の契約で決まっていることがあります。
  2. 受け付ける決済の種類を決める:お客様の年齢層、商品の単価、館の決まりをもとに決めます。種類を増やすほど、スタッフが覚える操作も増えます。
  3. 決済サービスを比べて申し込む:申し込みには審査があり、使い始めるまでに日数がかかることがあります。開催日までの日数に余裕をもって申し込みます。
  4. 端末・アプリ・通信・電源を用意する:端末の受け取り、アプリの設定、通信の方式、充電の方法を決めます。
  5. 商品と価格を登録し、試しに決済する:少額で決済し、取り消しや返金の操作も試します。レシートの印字内容も確かめます。
  6. スタッフが練習し、手順書を置く:決済の種類ごとの操作、つながらないときの対応、返金の手順を1枚にまとめ、売場に置きます。
  7. 当日の開始前に動作を確かめる:会場で電源を入れ、通信がつながるか、日付と時刻が合っているかを確かめます。
  8. 終了後に売上と入金を照らし合わせる:端末の売上の集計と、販売の記録、入金の明細を照らし合わせます。

催事全体の段取りは、ショッピングモール催事の出店から撤収までの流れもあわせてご覧ください。

決済端末にカードをかざす手元

決済サービスと端末はどう選ぶ?

受け付け方によって、用意する機器と気をつける点が変わります。催事の期間や売場の広さに合わせて選びます。

受け付け方 主な特徴 気をつける点 向く場面
据え置き型の決済端末 1台で多くの決済の種類に対応しやすい 電源と置き場所が要る 会計の場所が決まっている、長めの催事
持ち運べる端末、スマホやタブレットにつなぐ読み取り機 小さく、置き場所を選びにくい 充電と通信を確かめる。スマホの通知や電池の減りにも気を配る 短い期間の催事、売場が狭い出店
静的QRコード(印刷して置く) 機器がなくても始めやすい お客様が金額を入力する仕組みでは、入力した金額を画面で確かめる。コードの貼り替えに気をつける 単価が分かりやすい商品、混雑が少ない売場
動的QRコード(端末に表示する) 決済のたびに金額の入ったコードを出せる 表示する端末と通信が要る 会計の数が多い売場
利用者提示型(お客様のコードを読む) 読み取りの操作が店側で完結する 読み取り機やカメラの位置と明るさを確かめる 行列ができやすい売場

比べるときに確かめる項目

  • 受け付けられる決済の種類(カードのブランド、電子マネー、コード決済)
  • 決済手数料の決まり方(決済額に対する割合など)
  • 入金の時期、入金の回数、振込手数料
  • 初期費用、月額費用、端末の代金や貸し出しの条件
  • 審査にかかる日数と、使い始められる時期
  • 通信の方式(モバイル回線、Wi-Fi)と、電池の持ち
  • 取り消し・返金の操作の方法と、その期限
  • 売上の管理画面や、会計ソフトとのつながり
  • レシートや控えの印刷の方法
  • 問い合わせ窓口の受付時間(土日や夜も受け付けているか)

手数料や費用は、サービスや契約の内容、時期によって変わります。申し込む前に、各サービスの公式の案内と契約書で最新の条件を確かめてください。

クレジットカードの契約の相手を確かめる

クレジットカードを受け付けるには、カード会社や決済代行の会社と「加盟店契約」を結びます。割賦販売法では、販売する事業者と加盟店契約を結ぶことを業とする事業者は、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者として登録が必要とされています。申し込む前に、契約の相手がどの会社になるのかを、契約書や申し込みの画面で確かめておくと安心です。

店頭の端末にスマートフォンをかざす様子

当日の運用で気をつけることは?

使える決済をお客様に知らせる

売場の入口と会計の場所に、使える決済の種類を掲示します。使えない種類がある場合も書いておくと、会計のときの行き違いを防げます。混み合う時間は、並んでいるお客様に先に支払い方法を聞いておくと、会計が早く進みます。

通信と電源を確かめる

建物の奥や地下の売場では、スマホの電波が弱いことがあります。設営の日に、実際の売場で試しに決済して、つながり方を確かめます。館のWi-Fiを使えるかどうかは、館の決まりによります。端末の充電、予備のバッテリー、充電用のコンセントの場所も決めておきます。電源の考え方は催事ブースの電源と照明の基本で紹介しています。

つながらないときの手順を決めておく

通信の障害や端末の不具合で、決済ができなくなることがあります。現金の釣り銭を用意し、「一時的にキャッシュレス決済をご利用いただけません」と示す掲示を用意しておくと、慌てずにすみます。決済が完了したかどうか分からないときは、端末の履歴を確かめてからやり直し、二重に決済しないようにします。

カードの情報を扱わない

割賦販売法では、クレジットカードの加盟店に、カード番号などの適切な管理と、不正利用を防ぐ対策が義務付けられています。実務の指針となるガイドラインでは、対面で売る加盟店の決済端末のIC対応や、加盟店がカード情報を持たない「非保持化」などの対策が示されています。売場では、次のことを守ります。

  • カード番号を紙やメモに書き写さない
  • カードやスマホの画面を、記録のために撮影しない
  • 暗証番号を聞かない。入力するときは、手元が見えないように配慮する
  • カードはお客様の目の前で扱い、すぐに返す

静的QRコードは貼り替えに気をつける

印刷したQRコードを置く場合は、上から別のコードを貼られていないかを、開始前と休憩の後に確かめます。お客様の手が届きにくい位置に置く、スタッフの目が届く場所に置くといった工夫も有効です。

返金と領収書の対応

カードやコード決済で支払った商品の返品は、多くのサービスで、決済の取り消しや返金の操作で行います。現金で返すと、売上の記録と入金がずれる原因になります。また、事業者のお客様から領収書を求められることがあります。インボイス(適格請求書)を交付できるのは、税務署の登録を受けた適格請求書発行事業者だけです。国税庁の案内では、小売業などが交付する書類は、受け取る側の名前を省くなど、記載を簡単にした形が認められています。

毎日の締めで売上を照らし合わせる

営業が終わったら、決済の種類ごとに、端末やアプリの売上の集計と、販売の記録を照らし合わせます。取り消しや返金をした取引は、理由と時刻をメモしておくと、後で入金の明細と照らし合わせるときに役立ちます。催事の期間が終わった後も、入金が済むまでは記録を残しておきます。

端末を持って支払いを受ける手元

よくある失敗と、準備のチェックリスト

よくある失敗 起こる理由 防ぎ方
審査が開催日に間に合わない 出店が決まってから申し込むまでに時間があいた 出店の打診を受けた段階で、使うサービスを決めて申し込む
会場で通信がつながらない 事務所では試したが、会場では試していない 設営の日に、売場で試しに決済する
午後に端末の電池が切れる 充電の方法を決めていない 予備のバッテリーと充電の場所を用意する
持ち込んだ端末が使えない 館のレジを使う決まりだった 出店の契約で、決済の扱いを最初に確かめる
返金の操作が分からない 決済の練習しかしていない 返金と取り消しも、開始前に試しておく
売上と入金が合わない 現金の返金や、二重の決済があった 毎日、端末の集計と販売の記録を照らし合わせる

準備のチェックリスト

  • 館や主催者の決済の決まり(館のレジか、持ち込みか)を確かめたか
  • 受け付ける決済の種類を決め、売場の掲示を用意したか
  • 決済サービスの審査が通り、端末とアカウントがそろったか
  • 商品と税込価格を登録し、試しの決済と返金を済ませたか
  • 会場で通信がつながることを確かめたか
  • 充電の方法と予備のバッテリーを用意したか
  • つながらないときの手順と、現金の釣り銭を用意したか
  • カード情報を書き写さない、撮影しないことをスタッフに伝えたか
  • 終了後に売上と入金を照らし合わせる担当を決めたか

値札の税込価格の書き方は催事の価格表示で気をつけること、当日の確認は催事ブースの当日運営チェックリストもあわせてご覧ください。

よくある質問

数日だけの催事でも、キャッシュレス決済を導入できますか?

期間の短い催事でも使えるサービスはあります。ただし、審査の日数、初期費用や月額費用、最低の利用期間、端末を返す条件などはサービスによって違います。催事の回数が多いか少ないかも考えて、費用と手間を比べて選びます。

キャッシュレス決済を入れれば、現金は用意しなくてよいですか?

現金で払いたいお客様もいますし、通信の障害で決済ができなくなることもあります。キャッシュレス決済を入れても、釣り銭と現金の管理の手順は用意しておきます。

館のレジを使う場合、出店者が準備することはありますか?

館のレジで会計する場合でも、商品の登録の方法、売上の報告と精算の時期、返品の扱いは館や主催者の決まりによります。事前の説明会や出店の資料で確かめ、分からない点は早めに問い合わせます。

決済の手数料は、お客様に上乗せしてもよいですか?

手数料の扱いは、決済サービスとの契約で決まっていることがあります。上乗せを考える場合は、契約の内容を確かめ、価格表示は税込みの支払額が分かる形にします。分からない点は、決済サービスの窓口にご確認ください。

スタッフ個人のスマホで決済を受けてもよいですか?

売上の管理と情報の管理の面から、店として契約したアカウントと、店で用意した端末を使う方が安全です。個人のスマホや個人のアカウントで受け付けると、売上の記録が分かれ、入金の確認や返金の対応が難しくなります。

キャッシュレス決済の準備を含めた催事の出店のご相談は、株式会社スカイウォークスの催事・イベントの企画・運営のページをご覧のうえ、お問い合わせフォームからお寄せください。

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