高齢者のスマホの選び方|家族が一緒に確かめたいポイント

高齢の家族のスマホを選ぶときは、機種の名前や値段から決めるのではなく、まず本人が何に使いたいか、何に困っているかを聞くところから始めると失敗しにくくなります。そのうえで「見やすさ」「操作のしやすさ」「困ったときに相談できる先」「料金の分かりやすさ」の4つで比べます。操作を簡単にした機種だけでなく、一般のスマホも文字を大きくする設定や画面を簡単にする機能で使いやすくできます。契約のときは家族も一緒に内容を確かめ、必要のないオプションやセットの契約が入っていないかを見ておきましょう。この記事では、選ぶ手順と比べ方、使いやすくする設定、契約の注意点、よくある失敗を、総務省や国民生活センターなどの資料をもとにまとめます。

一緒にスマートフォンを見る高齢の夫婦

高齢の家族のスマホ選びで、まず考えることは?

スマホは、電話のほかに、写真やビデオ通話で家族とつながる、地図や天気を見る、オンラインの行政手続きや診療を使うなど、暮らしのいろいろな場面で使えます。一方で、文字が小さくて読みにくい、画面の操作が分かりにくい、迷惑電話や詐欺のメッセージが心配など、使い始めに不安を感じる方も少なくありません。

選ぶときに大切なのは、家族が「便利そう」と思う機能より、本人が「使いたい」「困っている」と感じていることを先に聞くことです。電話と写真だけ使えればよい方と、地図や買い物も使いたい方では、合う機種もプランも違います。

古い携帯電話を使っている場合

3Gという古い方式の携帯電話のサービスは、大手の携帯電話会社ではすでに終わっています。各社の発表では、auは2022年3月末、ソフトバンクは2024年、ドコモのFOMAとiモードは2026年3月31日に終了しました。ドコモとソフトバンクは、終了後に3Gの契約を自動で解約する扱いとしています。3Gにしか対応していない携帯電話は、もう通話にも使えません。家族がまだそうした携帯電話を持っている場合は、4Gや5Gに対応した機種と料金プランへの切り替えが必要です。ドコモは、3Gの契約の自動解約で、家族の4G・5Gの契約の割引などに影響が出る場合があると案内しています。契約している会社の案内を確かめましょう。

選ぶときの4つの視点

  • 見やすさ:画面の大きさ、文字の大きさ、明るさ。屋外でも読めるか
  • 操作のしやすさ:押しやすいか、持ちやすいか、重さ。よく使う機能にすぐたどり着けるか
  • 相談できる先:困ったときに店舗、電話、家族の誰に聞けるか
  • 料金の分かりやすさ:毎月いくらかかるか、何が含まれているかを本人が理解できるか
孫とスマートフォンを見る祖母

どんな手順で選べばよいですか?

次の順に進めると、本人に合う1台を絞り込みやすくなります。

  1. 使い方を聞く:電話、メッセージ、写真、ビデオ通話、地図、ニュース、買い物など、使いたいことを書き出します。今の携帯電話でよく使っている機能も確かめます。
  2. 困っていることを聞く:文字が見えにくい、音が聞き取りにくい、画面がうまく押せない、操作を覚えるのが不安、などを聞きます。困りごとによって、選ぶ機種や使う設定が変わります。
  3. 機種のタイプを決める:操作を簡単にした機種、一般のスマホ、家族のおさがりなどから、使い方と困りごとに合うものを選びます。
  4. 料金プランを考える:通話が多いか、自宅にWi-Fiがあるか、外でどのくらい動画や地図を使うかで、合うプランが変わります。
  5. 相談できる先を決める:店舗で相談したいのか、電話やオンラインで足りるのか、家族の誰が相談役になるのかを決めます。
  6. 実物を触ってみる:可能なら店頭で、本人が持ち、文字を読み、電話をかける操作を試します。
  7. 契約は家族も一緒に確かめる:契約の内容、毎月の支払額、オプションの有無を、その場で一緒に確かめます。

機種を選ぶときは、家族と同じOSにしておくと、操作を教えやすくなります。離れて暮らしている場合は、電話で「設定のどこを押すか」を説明することもあるため、家族が使い慣れたOSの方が助けやすいことがあります。

料金プランの考え方

総務省の携帯電話ポータルサイトでは、使い方が通話やウェブの閲覧が中心なら、価格が低めや中くらいの機種も選択肢になると紹介しています。料金プランも同じで、使うデータの量が少ないなら、小さめのプランで足りることがあります。自宅にWi-Fiがある場合は、家ではWi-Fiにつなぐ設定にしておくと、外で使うデータの量を抑えやすくなります。通話が多い場合は、通話の定額のオプションがあるかも比べましょう。料金の見直しの手順は、スマホの料金を見直すときのポイントで詳しく紹介しています。

スマートフォンとパソコンを使う高齢の夫婦

機種とサポートは、どう比べればよいですか?

機種のタイプを比べる

タイプ 向いている方 確かめたいこと
操作を簡単にした機種 初めてスマホを使う方、使う機能が電話や写真などに限られる方 家族が教えるときに、一般のスマホと画面や手順が違う場合がある。使えるアプリの範囲も確かめる
一般のスマホ 地図や買い物、ビデオ通話なども使いたい方、家族と同じ機種で教わりたい方 文字の大きさなどの設定で使いやすくできるか。大きさと重さが手に合うか
家族のおさがりのスマホ まず試しに使ってみたい方 OSの更新が続くか、電池の減り方、初期化したか。回線を変える場合は、SIMロックと周波数帯の対応
ボタンで操作する携帯電話(4G対応) 電話とメールが中心で、画面に触れる操作が苦手な方 使えるアプリやサービスが限られる。家族とのやり取りに使うアプリが使えるか

総務省は、端末を買う場所として、携帯電話会社のオンラインショップや販売店、家電量販店などがあると紹介しています。中古の端末を選ぶ場合や、SIMロックを解除した端末を使う場合は、移る先の会社が使う周波数帯に端末が対応しているかを確かめる必要があります。

料金とサポートを比べる

確かめること 見るポイント
店舗での相談 近くに相談できる店舗があるか。予約が必要か。オンラインや電話だけの受付の会社もある
初期設定 購入のときに設定をしてもらえるのか、自分でするのか。有料か無料か
通話の料金 通話の定額のオプションの有無。専用のアプリを使わないと割安にならない仕組みではないか
毎月の支払額 端末代の分割、オプション、割引が終わる時期を含めた合計
解約のとき 解約にかかる料金、端末代の残り、割引の条件

国民生活センターは2020年1月の発表で、いわゆる格安スマホについて、使い方が分からないのに十分なサポートを受けられない、無料で通話するには専用のアプリが必要だと知らなかった、という相談があると注意を呼びかけています。料金だけで比べず、サポートの内容と問い合わせの方法を契約の前に確かめておきましょう。格安SIMの仕組みは、格安SIMとは?大手の携帯会社との違いで紹介しています。

一般のスマホも、設定で使いやすくできる

iPhoneもAndroidも、見やすくするための設定を備えています(2026年11月時点)。

  • iPhone:設定アプリでテキストサイズを変えられます。さらに大きくしたいときは、「アクセシビリティ」の「画面表示とテキストサイズ」で「さらに大きな文字」をオンにし、文字を太くしたり、コントラストを上げたりできます。また「アシスティブアクセス」を使うと、画面の項目が大きく表示され、使えるアプリや機能を絞った簡単な画面にできます。ホーム画面は、項目を文字の一覧で並べる表示と、大きなアイコンで並べる表示から選べます。
  • Android:Googleの案内では、フォントサイズを最大200%まで大きくでき、表示サイズの変更、太字のフォント、色の調整などもできます。ただし、フォントサイズの設定が一部のアプリには反映されない場合があります。設定の名前や場所は、機種によって違います。

文字の大きさは、本人に実際の画面を見てもらいながら決めましょう。大きくしすぎると、1画面に入る情報が減って、かえって探しにくくなることもあります。

祖母と一緒にスマートフォンを操作する孫

契約や使い始めで、注意したいことは?

必要のない契約が入っていないか

国民生活センターが2018年9月と2025年12月に公表した情報では、高齢者の携帯電話の契約について、スマホを契約したら必要のないタブレットとのセットの契約だった、断ったはずのオプションやセキュリティのソフトが付いていた、内容を理解しないまま光回線や電気など複数の契約をしていた、といった相談が寄せられています。契約のときは、次の点をその場で確かめましょう。

  • 料金がかかる契約はどれか。スマホ以外の端末やサービスの契約が入っていないか
  • オプションは何が付いているか。無料の期間が終わると有料になるものはないか
  • 毎月の支払額はいくらか。割引が終わる時期はいつか
  • 解約するときにかかる料金や、割引の条件はどうなっているか

分からない点があるときは、その場で契約しないことも選べます。不要な契約に気づいたら、すぐに契約した店舗や会社に申し出ましょう。困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。

契約したあとに解約したくなった場合に使える「初期契約解除制度」や「確認措置」という仕組みもあります。どちらが当てはまるかや、申し出の方法と期間は契約書面に書かれています。詳しくは所管の窓口や専門家にご確認ください。

迷惑電話や詐欺のメッセージへの備え

スマホを持つと、電話だけでなく、メールやSMSでも、だますことを目的としたメッセージが届くことがあります。知らない番号からの電話やメッセージのリンクには、すぐに応じないことを家族で話し合っておきましょう。見分け方は迷惑メール・偽のSMSの見分け方で紹介しています。

データの移行と、家族の見守り

今の携帯電話から新しいスマホへ移るときは、電話帳や写真を移す必要があります。手順はスマホのデータ移行の方法とスマホの機種変更の前にやっておくことを参考にしてください。家族が位置情報の共有などで見守る場合も、何を共有するかを本人と話して決め、本人が納得したうえで設定しましょう。

使い方を学べる場所

総務省は2021年度から、デジタル活用に不安のある高齢者などに向けて、行政の手続きなどに使うスマホの使い方を学べる講習会を、携帯電話ショップなどで開く事業に取り組んできました。自治体が独自にスマホ教室を開いている場合もあるため、お住まいの市区町村の案内を確かめてみましょう。

スマートフォンを操作する高齢の女性

よくある失敗は?

家族が使ってほしい機能で選んでしまう

家族との連絡のためにメッセージのアプリを使ってほしい、という気持ちから多機能な機種を選ぶと、本人には操作が多すぎることがあります。まずは本人が使いたい機能から始め、慣れてから少しずつ広げましょう。

契約の内容を、あとで知る

本人だけで契約し、請求額を見た家族が、使っていないオプションやセットの契約に気づくことがあります。契約のときに同席できない場合は、契約書面や明細を後日一緒に見て、内容を確かめましょう。

初期設定のまま渡す

文字の大きさや音量が初期設定のままだと、本人が「使いにくい」と感じて使わなくなることがあります。渡す前に、本人と一緒に見やすさや聞こえ方を調整しましょう。

困ったときの相談先を決めていない

操作が分からなくなったときに誰に聞けばよいか決まっていないと、そのまま使わなくなることがあります。家族の誰が相談役になるのか、店舗やサポートの電話番号はどこに書いておくのかを決めておきましょう。

ソファでくつろぐ三世代の家族

選ぶ前のチェックリスト

  • 本人が使いたいことと、困っていることを聞いた
  • 今の携帯電話が3Gにしか対応していないものではないか確かめた
  • 画面の見やすさ、持ちやすさ、重さを本人が確かめた
  • 家族が教えやすいOSや機種かを考えた
  • 使うデータの量、通話の量、自宅のWi-Fiの有無を確かめた
  • 店舗や電話など、困ったときの相談先を確かめた
  • 毎月の支払額、オプション、割引が終わる時期を確かめた
  • スマホ以外の端末やサービスの契約が入っていないか確かめた
  • 文字の大きさや音量を、本人と一緒に調整した
  • 電話帳や写真の移行の方法を確かめた
  • 家族の誰が相談役になるかを決めた

よくある質問

操作を簡単にした機種と一般のスマホ、どちらがよいですか?

使いたいことが電話や写真などに限られ、操作に不安がある場合は、操作を簡単にした機種が合うことがあります。地図やビデオ通話なども使いたい場合や、家族と同じ画面で教わりたい場合は、一般のスマホに見やすくする設定をする方法もあります。本人が店頭で実際に触って比べると、選びやすくなります。

どのくらいのデータ量のプランを選べばよいですか?

使い方によって違います。今の携帯電話を使っている場合は、契約している会社のマイページなどで、毎月どのくらいのデータを使っているかを確かめましょう。自宅でWi-Fiを使えるなら、外で使う分だけを考えればよいため、小さめのプランで足りることもあります。

家族のおさがりのスマホを渡してもよいですか?

渡すことはできます。その前に、OSの更新がまだ続く機種か、電池が弱っていないかを確かめ、初期化してから本人用に設定し直しましょう。回線の会社を変える場合は、SIMロックの有無と、移る先の会社の周波数帯に端末が対応しているかも確かめる必要があります。

離れて暮らしていて、操作を教えにくいときは?

家族と同じOSにしておくと、電話で説明しやすくなります。よく使うアプリをホーム画面の分かりやすい場所に並べておく、困ったときの連絡先を紙に書いて渡しておく、近くのスマホ教室を探しておく、といった準備も役に立ちます。

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