スマホの機種変更の前にやっておくこと|バックアップから初期化まで
スマホの機種変更の前にやっておくことは、大きく分けて4つです。データのバックアップを取ること、ログインに使うIDとパスワードをそろえること、LINEや電子マネーなどアプリごとの引き継ぎを準備すること、契約と端末の条件を確かめることです。そのうえで、新しい端末にデータが移ったことを確かめてから、古い端末のサインアウトと初期化をします。初期化したあとのデータは元に戻せないため、この順番を守ることがいちばん大切です。この記事では、AppleやGoogleなどの公式の案内と、業界団体や公的機関の資料をもとに、準備の手順と確かめる項目をまとめます。

機種変更の前にやることは、どんな順番ですか?
機種変更の準備は、次の順番で進めると抜けが少なくなります。
- データのバックアップを取る(写真、連絡先、アプリのデータなど)
- IDとパスワード、2段階認証の方法を確かめる
- LINE、電子マネー、ゲームなど、アプリごとの引き継ぎを準備する
- 契約と端末の条件を確かめる(SIM、端末代の残り、補償、メールアドレスなど)
- 新しい端末にデータを移し、移ったことを確かめる
- 古い端末のサインアウトと初期化をして、手放す準備をする
1から4は、機種変更の前日までに済ませておくと安心です。Googleの案内では、Androidのバックアップには24時間ほどかかることがあるとされています。店頭で手続きをする場合も、オンラインで申し込んで新しい端末を受け取る場合も、前もって準備しておけば当日に慌てずに済みます。
なぜ「前に」やる必要があるのですか?
理由は2つあります。1つ目は、古い端末を初期化すると、端末の中のデータはすべて消え、元に戻せないからです。クラウドに保存していないデータは、初期化の前に移しておく必要があります。
2つ目は、アプリやサービスの中には、古い端末で操作しないと引き継げないものがあるからです。古い端末が手元にあり、ふつうに操作できるうちに準備しておくことが大切です。画面が割れて操作しにくい場合などは、早めに準備を始めましょう。

データとログイン情報は、どう準備すればよいですか?
バックアップを取る
バックアップは、端末の中の情報のコピーを、クラウドやパソコンに残しておくことです。新しい端末に移す途中で問題が起きても、バックアップがあればやり直せます。Appleも、iPhoneを手放す前の手順の最初に、バックアップの作成を挙げています。
- iPhoneの場合:iCloudバックアップでは、端末の設定、ホーム画面の並び、アプリのデータなどがコピーされます。写真とメッセージは、iCloud写真や「iCloudにメッセージを保管」を使っていない場合に、バックアップに含まれます。使っている場合は、iCloudの側に保存されています。
- Androidの場合:設定アプリの「Google」から「すべてのサービス」に進み、「バックアップと復元」の「バックアップ」で「今すぐバックアップ」を選びます。Googleは、バックアップのデータを守るため、画面ロックにはPIN、パターン、パスワードのいずれかを使うよう案内しています。
メニューの名前は、OSのバージョンや機種によって違う場合があります(2026年11月時点)。
写真の保存先を確かめる
写真や動画は、データの中でも量が多く、なくすと取り戻せないものです。今、写真がどこに保存されているかを確かめましょう。端末の中だけにあるのか、クラウドのサービスにも保存されているのかで、準備が変わります。
たとえばGoogle フォトでは、バックアップをオンにすると、写真や動画がGoogleアカウントに保存されます。ただし、Googleアカウントの保存容量は、GmailやGoogle ドライブなどと共有です。容量が足りない場合は、不要なデータを整理するか、容量を追加する必要があります。iPhoneでiCloud写真を使っている場合は、写真はiCloud写真の側に保存されます。
IDとパスワードをそろえる
新しい端末では、Apple AccountやGoogleアカウントなどに、もう一度ログインする場面があります。次の情報が分かるかどうかを確かめておきましょう。
- Apple AccountまたはGoogleアカウントのIDとパスワード
- 古い端末の画面ロックのパスコードやPIN
- 携帯会社のマイページのIDとパスワード
- よく使うアプリやネットのサービスのログイン情報
Googleは、Androidを初期化する前の準備として、別の端末からGoogleアカウントにログインして、パスワードが分かることを確かめるよう案内しています。また、パスワードを再設定した場合は、24時間たってから初期化するよう案内しています。ログイン情報を紙に書き出す場合は、人の目に触れない場所に保管しましょう。
2段階認証の方法を確かめる
ログインのときに、パスワードに加えて確認コードを入れる「2段階認証」を使っている場合は、特に注意が必要です。確認コードを出す認証アプリが古い端末にしか入っていないと、新しい端末でログインできなくなるおそれがあります。
Googleの「Google 認証システム」を使っている場合は、コードをGoogleアカウントに同期しているかを確かめます。同期していれば、新しい端末でログインするだけでコードが移ります。同期していない場合は、古い端末からコードを書き出して移す操作が要ります。Googleは、別の形の2段階認証やパスキーも登録しておくことを勧めています。ほかの認証アプリを使っている場合も、それぞれの案内で移し方を確かめましょう。移す操作は、スマホのデータ移行の方法で説明しています。

アプリやサービスの引き継ぎは、何を準備しますか?
アプリの中には、端末全体のバックアップや移行の機能だけでは移らないものがあります。よく使うものから、引き継ぎの方法を確かめましょう。
LINE
LINEの公式ガイドでは、古い端末に表示したQRコードを新しい端末で読み取る「かんたん引き継ぎQRコード」が案内されています。前に確かめておくのは、使える条件です。LINEのバージョンが12.10.0以上で、iOS 14以上かAndroid 7以上が条件です(2026年11月時点)。
トーク履歴は、同じOSどうしでバックアップが済んでいれば、直近14日分に加えて、バックアップした分も戻せます。OSが違う場合や、バックアップがない場合に戻せるのは、直近14日分だけです。古いトーク履歴を残したい場合は、機種変更の前にバックアップを取っておきましょう。
電子マネー・交通系IC・ポイント
スマホで使う電子マネーや交通系ICは、提供元が決めた手続きで移します。モバイル・リサイクル・ネットワークの案内でも、そう説明されています。古い端末で預け入れなどの操作が要るサービスもあるため、初期化の前に、使っているサービスごとに機種変更のときの操作を確かめましょう。Googleも、Android 15以降の端末では、初期化する前に、ウォレットのデータのバックアップを求める通知が出る場合があると案内しています。
携帯会社のポイントは、同じ会社の中での機種変更なら引き継げます。一方で、ほかの会社に移ると、解約にともなって失効する場合があります。乗り換える場合は、使い切る時期を考えておきましょう。
ゲームや有料のアプリ
ゲームのアプリには、アカウントの連携や引き継ぎ用のコードで移すものがあります。方法はアプリごとに違うため、各アプリの案内で確かめます。有料で買ったアプリは、同じOSどうしなら、同じアカウントで入れ直せる場合があります。OSが変わる場合は、有料のアプリやアプリ内で課金した内容は移らないことがあります。

契約と端末で確かめることは何ですか?
データの準備とあわせて、契約と端末の条件も確かめます。携帯会社を乗り換える場合や、今の端末を別の会社で使う場合は、確かめる項目が増えます。
| 確かめること | 内容 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| SIMの種類 | 差し込むSIMカードか、本体に組み込まれたeSIMか。新しい端末がeSIMに対応しているか。 | 契約の内容、端末の仕様 |
| SIMロック | 総務省によると、大手の携帯会社で2021年9月30日以前に発売された機種を別の会社で使う場合は、SIMロックの解除が必要です。2021年10月以降に発売された機種は、原則としてSIMロックがかかっていません。 | 携帯会社の案内 |
| 使える電波 | SIMロックがなくても、移る先の会社が使う周波数帯に端末が対応していないと、つながりにくい場合があります。 | 移る先の動作確認端末の一覧 |
| 端末代の残り | 分割払いの残りの回数と金額。端末を返す条件で残りの支払いが免除されるプログラムを使っている場合は、その条件。 | 携帯会社のマイページ |
| 補償サービス | 回線の契約がある人だけが入れるものや、会社を乗り換えると終わるものがあります。 | 補償サービスの規約 |
| メールアドレス | 携帯会社のメールアドレスは、乗り換えるとそのままでは使えません。有料の持ち運びの仕組みで使い続けられる場合があり、申し込める期間は会社によって違います。 | 今の携帯会社の案内 |
| 電話番号 | 会社を乗り換えても、MNP(電話番号の持ち運び)で今の番号を使えます。 | 移る先の申し込みの案内 |
| 充電器とケーブル | 新しい端末の差し込み口の形や、充電の規格に合うか。 | 端末の仕様、説明書 |
料金やプランの見直しもあわせて考える場合は、スマホの料金を見直すときのポイントも参考にしてください。格安SIMへの乗り換えを考えている場合は、格安SIMとは?大手の携帯会社との違いで違いをまとめています。

古い端末を手放す前に、何をすればよいですか?
新しい端末にデータが移ったら、古い端末の後片付けをします。ここでも順番が大切です。
まず、移ったことを確かめる
初期化の前に、新しい端末で次のことを確かめます。写真と動画が見られるか、連絡先がそろっているか、LINEのトーク履歴が戻っているか、2段階認証のコードが表示されるか、電子マネーの残高が表示されるか。1つでも足りないものがあれば、古い端末は初期化せずに残しておきます。
iPhoneの場合
Appleは、iPhoneを手放す前に、次のことをするよう案内しています。
- Apple Watchとペアリングしている場合は、ペアリングを解除する
- Apple Accountからサインアウトする
- iPhone以外のスマホに替える場合は、iMessageの登録を解除する
- 設定の「一般」から「転送またはiPhoneをリセット」に進み、「すべてのコンテンツと設定を消去」を選ぶ
- eSIMを使っている場合は、消去のときに、端末とeSIMを消去するかどうかを聞かれる。手放す場合は、消去する方を選ぶ
- Apple Accountの信頼できるデバイスの一覧から、古い端末を外す
Androidの場合
Androidでは、出荷時の設定に戻す初期化をします。Googleの案内では、初期化の前に端末を70%以上充電し、Wi-Fiかモバイルネットワークにつないでおくよう求めています。初期化すると、アプリとそのデータはすべて消えます。また、初期化のあとは、元の持ち主のGoogleアカウントの情報を入れないと使えない、盗難を防ぐ仕組みがあります。手放す前に、Googleアカウントのパスワードが分かることを確かめておきましょう。
SIMカードとメモリカードを取り出す
どちらの端末でも、SIMカードやmicroSDカードが入ったままになっていないかを確かめます。メモリカードには写真などが残っていることがあります。ケースや画面の保護シートも外しておきましょう。
回収に出すときは
モバイル・リサイクル・ネットワークでは、携帯電話の販売店などで、使わなくなった携帯電話の本体、電池、充電器を無償で回収しています。回収する店では、初期化の手伝いや、回収した端末を物理的に壊したり鍵のかかる箱に入れたりして、個人情報を守る対策をとっていると案内されています。
スマホにはリチウムイオン電池が入っています。製品評価技術基盤機構(NITE)は、リチウムイオン電池を使った製品を、燃えるごみや燃えないごみなどの一般のごみに混ぜず、メーカーや自治体の回収の方法を確かめるよう呼びかけています。

よくある失敗と、準備のチェックリスト
よくある失敗
- 古い端末を先に初期化してしまい、写真やトーク履歴を戻せなくなる。
- 認証アプリを移さないまま古い端末を消し、確認コードを受け取れなくなる。
- Apple AccountやGoogleアカウントのパスワードが分からず、新しい端末の設定が止まる。
- OSをまたぐ機種変更で、LINEのトーク履歴が直近14日分しか戻らないことを知らなかった。
- 電子マネーの機種変更の操作を忘れて、古い端末を初期化してしまう。
- SIMロックや周波数帯を確かめず、今の端末が移る先でつながりにくい。
- 古い端末にmicroSDカードを入れたまま手放してしまう。
チェックリスト
- バックアップを取った(iCloud、Googleアカウント、パソコンなど)
- 写真の保存先と、クラウドの空き容量を確かめた
- Apple AccountやGoogleアカウントのIDとパスワードが分かる
- 画面ロックのパスコードやPINが分かる
- 認証アプリの移し方を確かめた
- LINEのトーク履歴のバックアップを取った
- 電子マネー、交通系IC、ポイントの機種変更の手続きを確かめた
- SIMの種類、SIMロック、周波数帯を確かめた
- 端末代の残り、補償サービス、メールアドレスの扱いを確かめた
- 新しい端末にデータが移ったことを確かめてから、古い端末を初期化した
- SIMカードとmicroSDカードを取り出した
データの移し方そのものは、スマホのデータ移行の方法で、iPhoneとAndroidの組み合わせごとに説明しています。
よくある質問
機種変更の当日にバックアップをしても間に合いますか?
間に合う場合もありますが、前日までに済ませておくと安心です。Googleは、Androidのバックアップに24時間ほどかかることがあると案内しています。写真や動画が多い場合は、クラウドへの保存にも時間がかかります。当日は、古い端末と新しい端末の両方を充電しておきましょう。
同じ携帯会社のまま機種変更する場合も、準備は同じですか?
データの準備は同じです。バックアップ、IDとパスワード、LINEや電子マネーの引き継ぎは、会社を変えるかどうかに関係なく必要です。一方で、電話番号やメールアドレスの持ち運びの手続きは要りません。端末代の分割の残りや補償サービスの扱いは、同じ会社の中でも確かめておきましょう。
古いスマホは、初期化すれば手放しても安心ですか?
初期化をすると端末は買ったときの状態に戻り、中の情報を取り出すことは難しくなります。ただし、その前にアカウントからサインアウトしておかないと、次に使う人が使えない場合があります。iPhoneはApple Account、AndroidはGoogleアカウントからのサインアウトを先に済ませましょう。モバイル・リサイクル・ネットワークは、端末が再び使われる可能性がある場合に、データを消すためのソフトを使うことも勧めています。
今のスマホを、別の携帯会社でそのまま使えますか?
使える場合があります。総務省によると、大手の携帯会社で2021年9月30日以前に発売された機種は、SIMロックの解除が必要です。解除しても、移る先の会社の周波数帯に対応していないとつながりにくいため、動作確認端末の一覧で確かめましょう。解除の手数料や、格安SIMに移るときの確かめ方は、格安SIMとは?大手の携帯会社との違いでまとめています。
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